「人は生きているだけで価値がある」という言説に不足しているのは、「相対的無価値」だと思っている。
価値というものは、持てるものと持たざるものがあるからこそ価値として意味を持つものであって、誰しもが持っているものは価値としての役割を果たしていない。
人間は常に他者と比較してのみ価値としての意味を見出すものであって、そうした観点からすれば、「人は生きているだけで価値がある」という言説は、少なくとも現在生存している人に対しては意味を成さない。
金持ちに憧れるのも、「失って初めて気付く」のも、まさに人が如何に「相対価値」をもって意味を見出しているかを象徴している。